FrontFlow/blueの勾配計算カーネルのスーパーコンピュータ「京」上でのチューニング
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概要
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有限要素法による汎用流体解析ソフトFrontFlow/blueは圧力を節点上に定義するモードと,要素中心に定義するモードの2つのモードを備えている.このうち圧力を要素中心に定義するモードでは要素中心の圧力から要素頂点上での圧力勾配ベクトルを計算する部分が計算時間のおよそ30%以上を占めており主要な部分(カーネル)となる.このカーネルの処理は各要素上で計算した値を要素が参照する節点へ分配するという有限要素法および有限体積法で頻出する処理であり実用上重要なものである.このカーネルは有限要素法のデータ構造に依存して,要素が持つ節点リストを介して節点が持つ物理量を保持する配列にアクセスするリストアクセスをしている.スーパーコンピュータ「京」で性能を出すためにはキャッシュの利用効率を考慮したチューニングが必要であり,キャッシュ利用効率を改善する節点のリオーダリングと要素のブロック化を施し性能向上させた.本稿ではこの勾配計算カーネルのスーパーコンピュータ「京」上での性能評価,なかでも理論性能の推定法とチューニング技法および測定結果について述べる.
- 2013-09-25
著者
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