大規模組込み機器向けテスト自動化拡大方式
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概要
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組込みソフトウェア開発では,増加傾向にあるテスト工数の削減が重要な課題であり,テスト自動化方法が多数提案されている.主な自動化方式には,関数単体のテスト自動化,機器操作の自動化や,ソフトウェアのログ解析による動作判定の自動化がある.こういった従来の手法は外部装置が必要であるか,自動化できるテスト対象が限られていた.しかし,近年のソフトウェアの複雑化により,従来方式では自動化が困難なテストが増加した.また,開発コスト削減の要望から外部装置の利用は導入が難しい場合がある.本稿では,これらの課題を解決しテスト自動化の適用対象を拡大することを目的として,ソフトウェア内部組み込み型のテスト自動実行エンジンを提案する.本方式では,システムに対する操作とその内部状態取得を抽象化する.さらに,機器操作と操作結果の検証を容易化することによりテストを自動化する.これにより,統合テスト,システムテスト,不具合調査テスト,非再現確認テストの工数を削減することができる.デジタルテレビの開発に本方式を適用した結果,従来のテスト方式と比較して平均 54% の工数を削減できることがわかり,本提案方式の有効性を検証できた.
- 2013-09-05