長期不登校児への認知行動療法的介入
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概要
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本研究では、母親と分離することや担任・クラスメイトに会うことに対して不安や恐怖感を抱き、5年間母親同伴で登校をしていた小6男児に対して認知行動療法的な介入を行った。本児の行動は母親からの分離行動の形成が不十分であること、母親からの注目獲得、担任やクラスメイトへの不安の回避という要因によって影響を受けていると考えられた。そのため、母親からの分離行動のシェイピングや学校関連刺激への段階的エクスポージャーを行った。その結果、小学校在学中に単独で授業に出席できるようになり、中学進学後は学校への全面復帰が可能となった。その後も病欠以外で連続欠席することなく2年生に進級することができた。この事例を通して、不登校の治療におけるエクスポージャーの有用性やさまざまな技法を組み合わせて介入することの必要性について論じた。
- 2013-01-31