思春期に小児がんを発症した患児の入院体験 : 小児がん経験者の語り
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概要
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本研究の目的は、思春期に小児がんを発症した患者の入院体験を明らかにすることである。研究参加者は、治療を終了している青年期の小児がん経験者6名で、インタビューガイドを用いて半構成的面接を行い、質的帰納的に分析した。その結果、3カテゴリーが抽出された。思春期に小児がんを発症した患児は、疾患特有の不確かさに思春期の不確かさが加わり、為す術もなく【どうしてよいのかわからない】状況に置かれていた。さらに、入院当初から【入り混じる気持ち】に葛藤しながらも、入院生活の中で状況を前向きに捉え、他者との間に【駆け引きを試みた】ことが明らかになった。思春期に小児がんを発症した患児は、思春期の不確かさと小児がんの不確かさが複雑に入り混じることが対象理解を難しくしていたと考える。そのため、思春期の小児がん患児の特徴を踏まえ、患児が置かれている不確かさを把握するため医療者側から働きかけを行う必要がある。
- 日本小児看護学会の論文
- 2013-03-20