商品選択における単純接触効果の影響(2) : 美的印象と選択的注意の検討
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概要
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鎌田・臼井・吉野 (2009)は、美的印象や感情が喚起されやすい商品には単純接触効果が認められない可能性を示唆したが、実験で検討された商品が花束の1種類であること、また、実験目的に関する実験参加者の誤った憶測が結果の歪みをもたらした可能性があることなどの問題点も報告している。そこで、本研究では、美的印象および感情評価の異なる商品を用いた検討を行った。研究1では、商品以外の写真を検出するフィラー課題を採用し、実験目的への憶測を防止した手続きを用いたところ、予想に反して、どの商品にも単純接触効果が認められなかった (N=53)。その理由として、課題によってフィラー刺激への選択的注意が生じる一方で、商品写真はディストラクターと捉えられて、注意が抑制されてしまうために、単純接触効果が消失した可能性が考えられた。研究2では、フィラー課題を行わない方法によって検討を行った(N=59)。その結果、すべての項目において単純接触効果が認められた。つまり、美的印象や感情が喚起されやすいとされる商品にも単純接触効果が認められたことになる。単純接触効果に選択的注意が与える影響と、美的印象や感情が喚起されやすい商品における効果出現の不安定さの原因が考察された。
- 2012-03-01
著者
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