生物多様性保全から気候変動緩和へ : REDDが保護地域に与える影響に関する考察
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概要
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1990年代の気候変動枠組条約などの国際会議を契機に、森林の二酸化炭素吸収による地球温暖化防止が注目されるようになった。その中でも昨今議論されているREDDは、森林減少の防止により、森林内の二酸化炭素を吸収・固定し、気候変動緩和に寄与することが期待されている。REDDを実施する対象地の1つと考えられる保護地域には、今までの木材生産や生物多様性保全に加えて、二酸化炭素排出削減による気候変動緩和という新たな役割が求められることとなる。しかし、REDDを保護地域に導入することは、地域住民の土地所有・利用権の排除や地域住民の資源へのアクセスの制限といった既存の保護地域管理に起こっている社会問題をより悪化させる恐れがある。一方、REDDが社会的側面に配慮した基準・指標を備え、独立した第三者機関がその基準・指標に基づいて、REDDプロジェクトを適切に評価できる体制が構築されれば、REDDは既存の保護地域の問題点を改善できる可能性もある。
- 2010-01-20
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