我が国紙市場の競争度の計測 : 推測的変動モデルによる実証分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1990年代以降、我が国の紙・パルプ産業では、大規模な合併が繰り返し行われてきた。このような合併は、企業体質の強化を目途とした取り組みであるとともに、当該製品の各市場を寡占的な構造へと変化させ、その価格決定に際しては、寡占的なメカニズムにより規定されていることが示唆される。本論文の課題は、寡占化の進展が顕著にみられる新聞用紙および印刷・情報用紙を対象に、推測的変動を組み込んだ同時方程式モデルを用いて市場の競争度を検証し、併せて、これまでの合併等が、価格決定に及ぼした影響を明らかにすることにある。分析の結果、新聞用紙が寡占市場であることが実証されたのに対し、印刷・情報用紙は完全競争市場であることが明らかとなった。また、1993年および2003年の大規模な合併によって、市場の競争度が変化したか否かを検証した結果、両品目ともに、その影響はほとんどなかったこと等が明らかとなった。
- 財団法人林業経済研究所の論文
- 2008-10-20
著者
関連論文
- パルプ材需給の計量分析
- 製紙産業の費用構造分析 : トランスログ型費用関数による計量分析
- 我が国紙・パルプ産業の計量分析
- 我が国紙市場の競争度の計測 : 推測的変動モデルによる実証分析
- 大規模紙・パルプ企業の生産行動に関する計量分析