ハイデルベルグにおける暴力への取り組み -日本の家庭支援への示唆-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
家庭内で起きる、「虐待」、「配偶者間の暴力」(ドメスティック・バイオレンス、以下DVと称す)といった暴力は、子どもの発達を阻害する最も深刻な問題である。現在、被害者支援として取り組まれ、その安全確保などは容易となったが、家庭が再生サイクルの温床となり、世代間継承として新たな暴力を輩出している状況からは、渦中にいる子どもに対するケアの必要性が視えてくる。また、虐待やDVといった現象は、同一家庭内において、一つの暴力に派生して起きている実態から、相互的関連性があることが読み取れる。これらの観点から、前述した問題に対処するには、家庭内の調整をおこなうための介入支援こそ必要である。子どもの福祉を充実させるには、まず家庭が健全に維持されることが大前提である、そのために、暴力を「家庭機能」の問題として捉えなおしたうえで、家庭全体を包括した支援へと転換することが求められている。
- 尚絅大学の論文
- 2005-00-00