子どもの放課後問題の到達点と課題
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概要
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子どもの放課後生活は,「労働」「学習」「遊び」によって成り立っているが,歴史をたどると,かつては「労働」が中心であり,次第に「遊び」が中心になっていく.しかし,1960年代以降の経済政策により,子どもの放課後生活が大きく変容した.子どもの遊び集団が地域から消え,子どもたちは室内で電子映像メディアと接する時間が長くなり,いま子どもの発達に劣化が起こっている.こうした子どもの生活と発達の変容問題に注目が集まり,「子どもの放課後問題」への対策が求められるようになった.政府は,2007年に初めての総合的な放課後対策として「放課後子どもプラン」を打ち出したが,そこには原理的な問題点がある.学校が終わった後の生活は,「放課後」ではなく「地域」生活と捉えるべきであり,そこでは,「教育」と「福祉」の課題だけでなく,「文化(余暇)」が重視されねばならない.その視点に立って子どもの放課後問題を考える場合,子どもの権利条約第31条の精神と,社会文化アニマシオンの概念への注目が欠かせない.
- 2013-08-25
著者
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