F.Y.エッジワースの知的交流--オックスフォードの古典学生から経済学教授へ-- (経済学部特集号: 泉弘志教授、間野嘉津子教授退職記念号)
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概要
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本稿の目的は、第1に、エッジワースの知的関心に焦点を当てながら、そのオックスフォードでの学生時代からドラモンド講座経済学教授就任にいたるまでの動向を明らかにすることである。具体的には、エッジワースの関心が古典学や倫理学を出発点としてやがて経済学へと拡張されたこと、その証拠に当初はマーシャルにも倫理学者と評価されていたこと、この関心の拡張とともに彼が求めた職も他分野の教授職から経済学教授職へとシフトしたこと、そして1880年代に彼が実際におこなった経済学講義の内容についても触れる。本稿における第2の目的は、詳細なエッジワース伝であるBarbe(2010)に含まれるキングス・コレッジ・ロンドン時代のエッジワースにかんする誤った情報を訂正することである。このため、本稿ではBarbe(2010)においてまったく参照されていないキングス・コレッジ・ロンドンのマニュスクリプトにも依拠する。
- 2012-07-15