重症難病患者の療養支援のあり方
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概要
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「重症難病患者の療養支援のあり方」をまとめるにあたり厚生労働科学研究費補助金による「重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究班」の活動を紹介する.この研究班の目的は重度の難病患者が直面している療養上の問題を明らかにするとともに,難病患者に対する医療環境を整備し在宅療養を充実させることである.全国都道府県における難病医療ネットワークシステムの整備状況や形態は様々であり,各地域の実情に合わせて実動化していくことが重要である.拠点病院や協力病院における重症患者の長期入院が困難になっている状況では,ネットワーク整備の目的を医療の提供を中心にする考え方から在宅医療の充実にシフトする必要がある.その為には家庭医などの無床の診療所や訪問看護ステーションなどの参加を求めたネットワーク作りが必要と考える.重症難病患者が直面している療養上の問題のなかでも重要度,緊急性,実現性が高いものを選定しプロジェクト研究を行った.それらは(1)災害時の難病患者に対する支援体制の整備プロジェクト,(2)難病患者の医療相談に関するプロジェクト,(3)自動痰吸引器の開発プロジェクト,(4)難病患者へのコミュニケーション支援プロジェクトであり,具体的な成果をあげている.また,本研究班の最終年度に当たり研究班の活動を患者・家族および患者会に評価検討してもらった.この様な患者側からの評価や検討は将来の班研究の方向性を決める観点のみならず患者会との連携や協働を進めるうえで重要と考えられた.
- 2011-04-00
著者
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