今後の難病対策について-行政の視点から-
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概要
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難治性疾患克服研究事業費は,2009年にこれまでの約4倍の100億円規模に拡大され,既存の「臨床調査研究分野」「横断的基盤研究分野」「重点研究分野」が増強されるとともに,難病の4要件(1.希少性,2.原因不明,3.治療方法未確立,4.生活面への長期の支障をきたす等)を満たしながら,これまで対象とされなかった疾患群が「研究奨励分野」として加えられた.本研究事業においては,遺伝子を対象とした治療研究やiPS細胞や幹細胞等を用いた最新の再生技術の開発を含め,患者のQOLに貢献するロボット工学を駆使した研究にも期待が高まっている.現状では患者登録制度や新薬開発システムのあり方に未だ課題がみられるが,今後どのように研究成果を実用化していくのか,国民からの十分なコンセンサスを得ながら進めていくことが重要である.
- 国立保健医療科学院の論文
- 2011-04-00