感情特性と情動への評価の関連性について
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概要
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本研究は,特定の感情経験のもちやすさである「感情特性」と,自己が経験した情動に対する肯定・否定の価値づけである「情動への評価」との関連を検討したものである。一般大学生115名を対象に,感情特性尺度と情動への評価尺度を実施した。その結果,まず情動への評価は「喜び」因子ついては天井効果・フロア効果がみられたため,分析を断念した。また感情特性をもとに調査対象者をグループ分けしたところ,ポジティブ感情については違いがなく,ネガティブ感情と敵意感情をより感じやすい「ネガティブ特性群」と,より感じにくい「ポジティブ特性群」の2つに分かれた。この2つの特性群で感情への評価を比較したところ,「悲しみ」の他者懸念因子のみネガティブ特性群が高かったが,それ以外に有意差は認められなかった。情動への評価は特性によってあまり影響を受けないが,「悲しみ」については特性によって異なるため,特殊な感情であることが推測された。
- 2012-00-00