空調システムにおける劣化回復のための最適保全計画の立案手法 : ガス吸収式冷温水器と冷却塔を対象とした劣化進行速度の推定と最適保全計画の効果検討

概要

論文の詳細を見る
空調システムを長期間使用すると,経年劣化によってその性能が低下し,エネルギーの浪費やピーク負荷時の能力不足を引き起こす.このような問題を未然に防ぐには,劣化進行の状況を日々把握し,保全対象機器や保全時期を推定するなど,劣化回復のための長期的な保全計画を立てることが重要である.しかし,通常の空調システムは定期保全を行うことがほとんどであり,より効率的な維持管理のための保全計画の立案手法が求められている.本研究では,システムシミュレーションを利用し,熱源システムが寿命に至るまでのエネルギー消費量または運転費用が最小となる劣化回復のための保全回数や保全対象機器,保全時期を適切に決定する保全計画の立案手法を提案した.本手法は,日々変化する気候や建物負荷,機器性能などをシミュレーションに入力し,実際の空調システムの状態を反映した保全計画を行うものである.ここでは,最適保全計画と定期保全,状態監視保全を比較し,エネルギー消費量と運転費用の面からみた最適保全計画の導入効果を検討した.その結果,目的関数がエネルギー消費量の場合,定期保全と状態監視保全に比べエネルギー消費量が約5%〜7%削減された.目的関数が運転費用の場合,劣化によって増加する年間平均運転費用が61.5%削減された.
2013-03-05

空調システムにおける劣化回復のための最適保全計画の立案手法 : ガス吸収式冷温水器と冷却塔を対象とした劣化進行速度の推定と最適保全計画の効果検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク