論理構造と物理構造が混在するテキストのXMLによるマークアップに関する考察
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概要
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XMLは文献学的なテキスト分析にも応用が期待されるマークアップ言語である.特にTEIによってガイドラインが策定されてから,その利用価値は一層高まっている.本研究では,『中辺分別論疏』という仏教文献を取上げ,複雑な構造を持つテキストをTEI P5によって分析する具体的事例について報告する.『中辺分別論疏』は6世紀頃にインドで作成されたサンスクリット語文献である.写本が全体的に3分の1程度欠損しているため,校訂テキストは欠損部を諸資料から再現し,イタリック表記で補完している.すなわち「欠損した写本」という物理的な事情を反映したテキストであり,通常の論理構造と物理構造が混在した状態になっている.こうした複雑なテキストをTEI P5に準拠してマークアップする方法について考察する.
- 2013-05-04