新生仔期一側大脳皮質傷害ラットにおける逆行性トレーサー法を用いた脊髄下行性投射ニューロンの量的検討
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概要
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【緒言】本研究では,生後7日に左大脳皮質傷害を被ったラットにおける経時的な代償反応を逆行性トレーサー法を用いて検討した。【方法】左大脳皮質吸引除去術後2, 3, 4, 5週において右頸髄にFITC-CTB, 左頸髄にFastBlueを注入し,標識された脊髄下行性投射ニューロンの数を正常発達ラットと比較検討した。【結果】FITC-CTBで標識された同側皮質脊髄ニューロンは,全週齢において吸引除去群で有意に多く存在した。二重標識された皮質脊髄ニューロンは両群で確認され,吸引除去群では術後4, 5週において有意に増加した。しかし,その数は数%に過ぎなかった。延髄腹側網様核および延髄縫線核に存在するFITC-CTB標識ニューロンは,術後4, 5週にて吸引除去群で有意に多く存在していた。【結論】新生仔期一側大脳皮質傷害後には,発達過程において淘汰されず残存した皮質ニューロンからの同側性脊髄投射が代償機能の中心的役割を果たし,非傷害側皮質脊髄路軸索からの側枝発芽や,脳幹からの投射も一部関与していることが示唆された。
- 2012-12-20
著者
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