阪南中央病院における過去5年間の人工妊娠中絶の実態 : 望まない妊娠を予防するための基礎資料
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概要
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望まない妊娠を予防する活動に役立つ基礎資料を得る目的で,阪南中央病院(大阪府松原市)において, 2006〜2010年の5年間に人工妊娠中絶手術を受けた503名を対象に,診療記録の収集を行い,その実態を把握するとともに,各種要因間の関連性について検証した。その結果,対象者の年齢(20歳未満/20歳以上)や婚姻状態(未婚/既婚/離婚)などの背景要因によって中絶の実態が異なることが明らかになった。なかでも,母体保護法14条1項2号の暴行脅迫による中絶は, 20歳未満が20歳以上に比べ,その比率が高いことが示された。また,婚姻状態別の中絶の実態を比較する際には,年齢の影響を考慮に入れた分析の必要性が示された。本研究により,中絶予防に直結する「望まない妊娠の予防」に向けた,性教育や調査・研究を含めた各種実践活動,あるいは,性暴力による中絶の背景の検証に際しては,このような個人特性を考慮に入れる必要性があることが示唆された。
- 2013-01-00
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