不妊症治療中に偶然発見されたAtypical polypoid adenomyomaの1例
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概要
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typical polypoid adenomyoma(以下APAM)は比較的稀な子宮腔内に発生するポリープ状腫瘍病変である。APAMは良性腫瘍であるが,APAMの臨床病理学的性格やendometrioid adenocarcinomaとの関連については必ずしも明らかでない。今回、不妊治療中に子宮内膜ポリープあるいは粘膜下子宮筋腫と考えられた腫瘤性病変に対して、子宮鏡下切除術を施行し、術後の病理結果でAPAMと診断された症例を経験したので報告する。症例は37歳女性で不妊を主訴とし、子宮内膜ポリープの診断で紹介された。腫瘤は子宮内腔に突出する1cm大のポリープ状病変で、術後病理診断でAPAMと診断された。その後再発所見はなく、現在不妊治療を継続している。APAMは良性腫瘍であるが再発が比較的多く、ときに癌化したり、悪性病変が併存したりすることから、術後の注意深い経過観察が重要である。また、未婚や不妊症女性に多く認められることから、子宮鏡による保存的治療および経過観察は有用な手段である。
- 2013-03-25