抗リン脂質抗体症候群モデルラットにおける妊娠転帰についての検討
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概要
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は繰り返す流産や死産の原因となることが知られている。その病態解明や治療法の確立のために、APSの動物モデルを作成することを目的とした。方法:8週令の雌Wistar系ラットにβ2GPIによる免疫を行い、抗β2GPI抗体価を経時的に測定した。β2GPIで免疫したラットを13週令で交配させ妊娠第14日に開腹し、妊娠数、生存胎仔数、流死産数、胎仔重量および胎盤重量を計測した。結果:抗β2GPI抗体価はControl群と比べて有意に高値を示した。β2GPI群ではControl群と比較して、妊娠第14日の妊娠数には差を認めなかったが、生存胎仔数および胎仔、胎盤重量は有意に減少し、一方流死産数は有意に増加した。結論:比較的簡便で安価な方法を用いて、ラットでのAPSモデルを作成することができた。APSが妊娠へ悪影響を及ぼす病態の解明および新しい治療法の開発がさらに発展することが期待される。
- 2013-03-25