チャネル間競争と販売費用削減投資
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概要
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複占市場において、生産者が系列の販売業者を介して財を販売しており、また生産者は販売業者に対してフランチャイズ料を課しているとする。さらに、生産者間では価格競争が行われ、販売業者間では数量競争と販売費用削減投資の競争が行われているとする。このとき、生産者は需要が拡大すると出荷価格を下げ、出荷価格は互いに戦略的代替関係となり、また均衡において生産者は出荷価格を自身の限界生産費用よりも低く設定する。これにより販売業者は多くの注文を行い、そしてこのような販売量の増加が費用削減投資の増加につながる。その結果、需要が拡大したときに小売価格も低下することになる。さらに、垂直的統合と垂直的分離の選択においては、生産者にとって垂直的分離が支配戦略となる。ただし両生産者が垂直的分離を選んでいる状況は「囚人のジレンマ」に相当し、垂直的分離はチャネル間競争を激しくする。
- 2012-00-00