沖縄島北部、辺野古付近における盛土造成地の分布と特性
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概要
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我が国では、高度成長経済成長期以降の都市域の拡大やリゾート開発等によって、丘陵地を大規模に平坦化する地形改変が各地で進められた。それらの造成地のうち、丘陵斜面上や谷を埋めて盛土した部分は、近年頻発している地震に際して地すべりを起こし、大きな被害を生じている。沖縄島では高度成長以降、震度6弱を超えるような強震動には見舞われていないが、来るべき大地震で同様の被害を受けるであろう盛土造成地が存在している。しかしながら、その実態はほとんど知られていない。そこで、近年、北部振興策による地形改変が顕著な辺野古付近において、新旧地形図の重ね合わせによる盛土分布図を作成し、大まかな危険箇所の検出を試みた。その結果、調査地域内でも特に沖縄高専キャンパスには、やや大規模な谷埋め盛土造成地が複数あることが確かめられた。そのうち、同校の陸上競技場東部の谷埋め造成地は、2012年梅雨季にわずかに滑動し、盛土と基盤岩が固着していないことを示した。このような造成地は強震動・豪雨・長雨などによって大きく滑動する危険性があり、利用に際しての防災減災対策や、中長期的な土地の維持管理対策が必要である。
- 2013-03-00