厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)公開・還元情報の活用
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概要
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厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業は2000年に開始され,現在国内の約1000医療機関が参加している.検査部門をはじめ,目的や対象の異なる5部門で構成され,我が国における院内感染や薬剤耐性菌の発生状況や分離状況の把握を目的にデータが収集・解析されている.JANISでは,国の統計情報としての公開情報を作成しているが,質の高い公開情報を作成するためには参加医療機関の協力が必要不可欠であり,そのためには医療機関に対してデータの提出を求めるだけでなく,その労力に見合うメリットを提供する事が重要である.そのため本事業では,公開情報とは別に参加医療機関の個々のデータを個別に解析した還元情報を作成している.還元情報は他施設との比較を箱ひげ図を用いて表記した図を中心に構成されており,これにより,医療機関は自施設の感染対策を評価する事ができ,JANIS参加の動機付けになっていると考えられる.事業開始後100年を経て,JANIS事業には貴重なデータが蓄積されている.しかし,医療機関や行政の感染対策担当者や感染症に関する研究者らに,JANISの公開情報や還元情報の内容やその活用方法は十分に周知されてはいないと思われる.今後,JANIS情報の活用がより一層が推進されるよう,積極的な情報発信を図りたい.
- 2012-08-00
著者
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