健康日本21(第二次)の目標設定における国民健康・栄養調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
健康日本21の最終評価において,国民健康・栄養調査は経時的に比較可能で十分な精度を持つ調査として主要な役割を果たした.健康日本21(第二次)でも,目標項目全体の約3割の17項目(身体状況調査7項目,栄養摂取状況調査2項目,生活習慣調査8項目)において,国民健康・栄養調査の結果が活用されている.近年,人口の高齢化が進んでいることや,国民健康・栄養調査の協力率が男性より女性で,また60歳代や70歳以上の高齢者で高いことなどから,成人の男女総数での平均値が目標設定で用いられている食塩摂取量や喫煙率については,性別に年齢調整した値や年齢階級別の値での変化も検討する必要がある.一方,「日常生活における歩数の増加」や「運動習慣者の割合の増加」では,データの特徴をもとに,性別に20〜64歳と65歳以上に分けて目標が示されており,平成22年の報告書で新たにこの年齢区分による再掲の集計値が示されている.今後,調査の協力率を低下させない方策を講じるとともに,毎年の国民健康・栄養調査報告書で健康日本21(第二次)の目標項目の数値を継続的に示すことを通じて,国民健康・栄養調査が国民の健康,栄養状態のモニタリング機能を果たし続けることを期待したい.
- 2012-10-00