国試問題形式による高齢社会に関する基礎知識の確認-社会保障リテラシー向上のために-
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概要
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高齢社会に関する様々な言説においては, 高齢者が誰とどこでどのように暮らしているのかについてイメージの錯綜が見られる. 共通の認識に基づいた生産的な議論が展開されるためには, まず高齢者の生活実態を実証的に明らかにする必要がある. 本稿は, 日本の高齢社会と高齢者について, 人口構成, 健康状態, 経済状況, 居住環境, 社会参加などの諸相に沿って, 設問とその解答という形式を借りて印象に残りやすい解説を試みる. 今後こうした知識が広く普及すれば, 我が国の高齢社会の位置づけに関する共通理解が進むとともに, 社会保障に関する国民のリテラシーが向上し, エビデンスに基づく社会保障制度の改革への一助にもなろう. 「I. 問題と視角」 戦後の日本の高度成長を支えたと言われる「団塊の世代」とは, 1947年から1949年の3年間に出生した約700万人を指す. 2012年にはその最初の1人が65歳に達し, 2015年には最後の1人が65歳に達することになる.
- 2011-00-00