びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に伴う免疫性血小板減少症に対するeltrombopag olamineの有効性
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概要
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症例は78歳男性。持続する鼻出血を契機に血小板減少を指摘され当科初診。約1cmの左頸部リンパ節腫脹以外、基礎疾患を疑う所見は認めなかった。PAIgG高値および骨髄検査で巨核球系の過形成を認め、特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) と診断。Prednisolone (PSL) 投与開始により血小板数は改善したが、減量に伴い再燃し、再増量を繰り返したため、治療開始11か月後よりeltrombopag olamine (レボレードR錠) を開始したところ、血小板数の有意な増加を認めた。その頃から左頸部リンパ節が徐々に増大。リンパ節生検で異常Bリンパ球の増生を認め、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) と診断。化学療法 (R-CHOP療法) 開始したところ、リンパ節病変の改善に加え血小板数も改善を認め、eltrombopag olamineは中止、 PSLも減量可能であった。リンパ増殖性疾患は免疫性血小板減少症の原因疾患の一つであるが、DLBCLに免疫性血小板減少症を併発した報告は現在まで16例と少数である。今回我々は、初診時ITPと診断するも約1年間のステロイド治療に反応せず、eltrombopag olamineが有効であったDLBCLに伴う免疫性血小板減少症を経験したため報告する。
- 2013-03-31
著者
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星野 茂
さいたま赤十字病院 内科
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佐藤 博之/小宮
さいたま赤十字病院血液内科/さいたま赤十字病院血液内科/さいたま赤十字病院血液内科
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小宮 佑介
さいたま赤十字病院血液内科
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佐藤 博之
さいたま赤十字病院血液内科
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星野 茂
さいたま赤十字病院血液内科
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