多発性骨髄腫の標準的な寛解導入療法-新薬を含む多剤併用療法の現況-
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概要
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現在、米国、英国などから、多発性骨髄腫および類縁疾患の包括的な診療ガイドラインが公表されている。共通していることは、それぞれ独自に世界の臨床研究データを収集・分析して、高いエビデンスの得られた事項を中心に「根拠に基づいた治療ガイドライン」を組み立てていることである。具体的には(1)無症候性の骨髄腫にはすぐには治療をしないこと、(2)可能な症例では自家幹細胞移植を行う方がよいことなどがエビデンスレベルの高い推奨事項として挙げられる。メルファランを含む治療法は幹細胞の確保を妨げるので、移植療法に移行する可能性のある場合には使用しないことが望まれる。,近年、サリドマイド、レナリドミド、ボルテゾミブなどの新薬が多発性骨髄腫の寛解導入療法に取り入れられて、骨髄腫患者さんの予後が明らかに改善した。移植候補者の寛解導入療法としては、デキサメタゾンに新薬のボルテゾミブとドキソルビシンもしくはシクロフォスファミド、あるいはさらに新薬のサリドマイドもしくはレナリドミドを組み合わせた治療法が推奨されている。非移植候補者への寛解導入療法としてはメルファラン・プレドニゾロン療法に新薬のボルテゾミブ、サリドマイドあるいはレナリドミドを加えた併用療法などが推奨されている。
- 2013-03-31