姿勢が咳の最大流量(Cough Peak Flow)と呼気筋活動に与える影響
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概要
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【目的】姿勢が咳の最大流量(CPF)や咳嗽時呼気筋活動, 呼吸筋力や肺活量にどのような影響を与えるのかを調査することを目的とした. 【方法】健常成人男性17名を対象に背臥位, ベッドアップ45度, 端座位の3姿勢でCPF, 呼吸筋力, 肺活量を計測し, CPF測定時のみ呼気筋(外腹斜筋, 腹直筋)の活動を記録した. 筋活動の評価は, 事前に最大随意収縮時の筋積分値(最大iEMG)を求め, 咳嗽時筋活動を最大iEMGに対する百分率(%iEMG)として評価した. 【結果】CPF, 肺活量, 外腹斜筋の%iEMGは端座位が最も高く, 次いで45度座位, 背臥位の順であり, 端座位と他の姿勢との間には全て有意差を認めた(P<0.05). 腹直筋の%iEMGは姿勢による変化を認めなかった. 【考察】CPFを始め, ほとんどの項目で端座位が最も高く, 背臥位で最低値となり, 姿勢の影響を受けることが明らかになった. 効果的な咳嗽を行なうには背臥位よりも, できるかぎり端座位に近い姿勢で行なうことが望ましいと考えられた.
- 2011-00-00
著者
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増田 崇
奈良県立五條病院リハビリテーション室:畿央大学大学院健康科学研究科
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田平 一行
畿央大学大学院健康科学研究科
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増田 崇
奈良県立奈良病院リハビリテーション部
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山科 吉弘
藍野大学医療保健学部理学療法学科
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井出 宏
畿央大学大学院健康科学研究科
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長瀬 有希
市立四日市病院リハビリテーション科
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玉村 悠介
わかくさ竜間リハビリテーション病院療法部理学療法課
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井出 宏
畿央大学大学院 健康科学研究科
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長瀬 有希
市立四日市病院 リハビリテーション部
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増田 崇
奈良県立奈良病院 リハビリテーション部
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田平 一行
畿央大学大学院 健康科学研究科
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