継承語学習者は言語をいかに捉えているか
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概要
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本研究では韓国系民族学校に通学するJドミナント・コリアンを対象とし,言語学習に関わる情意要因(「言語態度」「動機」)と行動要因を検証したものである.行動要因に関しては先行研究同様,世代降下につれ数値が低下していくことが観察されたが,情意要因に関しては少なくとも3世以内までは維持されていることがわかった.このことから情意要因と行動要因は必ずしも同時進行で低下していくのではないことが示唆される.また,ほとんどの要因において女子生徒の優位性が確認された.これは周囲から期待されている社会行動の違いによると推測される.また「言語態度」と「動機」を原因と結果の関係と仮設定した.パス解析の分析から言語に対する潜在的意識が動機を誘引する可能性があることがわかった.また,情意要因のうち「興味・関連・アイデンティティ(言語態度)」「内発・統合的動機」は継承語学習を進める上で重要な要因であることがわかった.
- 社会言語科学会の論文
- 2007-03-31
著者
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