文末形式のジェンダーが話者についての印象に及ぼす影響
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概要
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本研究では,文末形式のジェンダーが話者についての印象に及ぼす影響を検証する.会話文末表現の一部は男性形式や女性形式に識別できるが,その区別に従って,話者の男性性・女性性情報を伝える対人印象効果があると考えられる.そこで,実験的手法を用いて,話者は文末形式のジェンダーと一貫した対人印象を与えるという「文末形式のジェンダー効果」や,話者の性別と不一致の文末形式はより強い印象効果を示すという「文末形式のクロス・ジェンダー効果」について検討した.実験では,会話文において男性形武,女性形式,そのどちらでもない中性形式を用いる男性話者や女性話者に対して印象評定を行った.各条件の話者に対する印象を比較した結果,予測どおり文末形式による対人印象効果が示された.しかし,その効果には話者の性別や文末形式のジェンダーによる非対称性もみられ,文末形式の使用に関する人々の社会的,文化的視点が示唆された.
- 社会言語科学会の論文
- 2007-03-31