韓国における接客言語行動に関する事例研究 : 文末形式選択のダイナミックス
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概要
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本稿は,韓国のデパートと市場における店員の接客言語行動を分析したものである.分析には,客と店員の会話を収録した談話資料から,店員の発話に現れた文末表現形式を取り上げる.結果から言えることは以下のようである.(1)デパートの電話応対では,韓国語の改まった丁寧体である「〓〓hapsyo体」が中心になり,最も定型的なパターンを見せている.(2)デパートの対面接客においては,改まりを表す「〓〓hapsyo体」はマニュアル的な発話に出現しやすく,客との交渉のような細かい応対では「〓〓hayyo体」が中心になる.(3)フォーマルで定型的な接客パターンを見せるデパートとは対照的に,市場では方言形や非敬意体など,いろいろなスタイルが出現し,愛想を示す発話による配慮も見えた.このような親しみを表す言語形式の選択ストラテジーは,市場の雰囲気をカジュアルで親しみあるものとして印象づける要因の一つとなっている.
- 2005-03-30