異文化間コミュニケーション研究としての相互作用分析
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概要
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本稿では,文化スキーマの理論枠組に基づく異文化間コミュニケーションの相互作用分析の提案を目的とし,その理論的基盤,方法論を論じた上,それにより新たに明らかになる点について論じる.異文化間コミュニケーション研究の問題点として,(1)文化のコミュニケーション行動への影響を説明する理論の欠如,(2)文化定義と決定基準の曖昧性,(3)方法論の偏りを挙げ,各問題点への解決案を提示する形で,スキーマ理論に基づく文化スキーマの理論的枠組,それに基づく文化の再定義と決定基準,融合的方法論の提案をする.新たな可能性として,こうした相互作用分析により,異文化間コミュニケーションにおいて「相互作用管理能力」(interaction management)がどのように出現するかについて,対人コミュニケーションスキーマの概念を用いることで,より詳細な解釈が可能になる.
- 2002-03-31