コンテクスト化の資源としての呼称 : 言語とコミュニケーションの生態学への試論(<特集>コミュニケーションの社会言語科学)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は,社会言語科学の一つの可能な視点としての生態学的な言語・コミュニケーション研究の理論的枠組み(「言語とコミュニケーションの生態学」と呼びたい)を提案し,英語と日本語によるコミュニケーションにおいて呼称がコンテクスト化の資源として用いられるプロセスの分析を通してその枠組みの輪郭を示すことである.コンテクスト化の合図の理論モデルと関連する諸知見を統合的にとらえて用い,随意的な言語アイテムである呼称が,会話の相互行為の中でコンテクスト化の方策として参与のフレームの構築,面目リスクの管理,共振的会話などの資源となっていることを論じる.そのような資源はあらゆる言語に等しく備わっているわけではなく,当該の言語・コミュニケーションを取り巻く固有の制約の中でアフォードされるレパートリの一部であるという視点の意義と有効性を英語と日本語の呼称の事例を通して主張したい.
- 社会言語科学会の論文
- 2003-07-31
著者
関連論文
- コンテクスト化の資源としての呼称 : 言語とコミュニケーションの生態学への試論(コミュニケーションの社会言語科学)
- 異文化コミュニケーションと社会言語科学, 池田理知子・E.M.クレーマー(著), 2000, 異文化コミュニケーション・入門, 有斐閣
- コンテクスト化と指標性の二義性について(林瑛ニ先生退職記念特集号)