社会言語学から見た言語消滅の共通点
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概要
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本稿は言語の消滅を扱う研究論文数篇を総括的に論評するものである.社会言語学的な視点から,言語が消えて行く過程をその言語の構造的な変化に着目して説明する.更に今やその跡を絶とうとする言語を完全に身に付けた話者とそうでない者との関係を視野に入れて,その言語とその地域に有力な言語との関係を考察した.本稿の議論は大略ドリアン(1981)及びシュミット(1985)によるが,実例はこれ以外の研究からも引いて加えた.なお,特定言語を話す集団の反応についての考察,言語を消滅から守る試み,消滅の危機に瀕する言語に取り組む言語学者の仕事にも触れた.
- 1998-11-30