エスニシティ研究と世代間生活史調査(<特集II>社会調査の多様性と可能性)
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概要
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ある社会現象に対する問題意識が生まれた時、その<問題>を解明しようとして、たとえば社会学の<アスペクト>が選択される。M・ヴェーバーが近代西欧における資本主義誕生の謎を解く鍵として着目した<アスペクト>は、当時勃興しはじめた中産階級にとっての「行為の意味」、職業倫理であった。こうして<問題>と<アスペクト>が決まれば、それにふさわしいデータ収集の<方法>が割り出されてくる。ある面で歴史社会学といえなくもない「プロ倫」で、「ウェストミンスター信仰告白」や「フランクリンの教説」などの史料、質的データが用いられたのは当然であろう。このように実証研究が<問題>と<アスペクト>と<方法>の緊密な連結のもとで営まれることは誰でも知っている。何の変哲もない研究モデルではあるけれども、実証研究における三者の密接不可分性を強調し、あえてこれに「三位一体論」という名前を付けてみたい。私たちの「民族関係の社会学」もまた、三位一体論に基づく社会調査の一例である。
- 2002-05-25
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