家族介護者の「生きられた世界」の語りの検証 : 現象学的アプローチにおける質的分析を通して
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概要
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本研究では困難状況下にある家族介護者の「強く生きられる要因,人生の価値観」に焦点をあて,その「生きられた世界」への接近を試みた.研究方法として,「厳しい介護状況下で獲得していく価値観や人生観の基準となるものは何であるか」というリサーチクエスチョンに沿って対象者に半構造化面接を実施し,現象学的心理学の視点から質的分析を行った.介護者の語りを意味ある単位ごとに分類した結果,抽出された各テーマはそれぞれ,「過酷な体験からの『生』」「信仰による徳」「高齢者との共存に見いだす使命」「確実に死に向かうこと」「大切な支援者との関係」の5つであった.また,生死をみつめるといったスピリチュアルな次元の感覚が浮かび上がった.家族介護者の語りから立ち現れる人生観には,介護をすることで人生の実証を示す姿勢が映し出されたと解釈できる.
- 2009-04-01
著者
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