介護事故の実態に関する一考察 : 大阪府K市の介護事故報告書を中心に
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概要
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本稿では,2006年度に大阪府K市に提出された「介護事故報告書」(計75件)を入手し,介護事故の実態を明らかにし,介護事故防止のための課題を探った.その結果,「ショートステイ」の「転倒・転落」の件数は特別養護老人ホームとほぼ同数であった.また,「18:00〜20:00」および「4:00〜7:00」は事故が起こりやすい時間帯であることも分かった.さらに,事故内容として要介護度が低い者は「転倒・転落」が多い.以上より,とくに「ショートステイ」利用者の「転倒・転落」に注意する必要があることが分かった.また,「18:00〜20:00」および「4:00〜7:00」は職員配置が手薄であり,事故が起こりやすい時間帯であるため,職員の勤務時間帯を工夫し,事故が発生しやすい時間帯に職員配置を強化することが必要である.または,事故の発生しやすい時間帯を介護職員に周知徹底して,注意をよびかけておくことも重要な事故予防策である.さらに,要介護度に関係なく,すべての利用者への見守りを強化する必要がある.
- 2009-04-01
著者
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