中山間地域における福祉サービス供給の課題 : 福祉サービス供給組織の整備
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概要
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高齢化と過疎化が進行する中山間地域では,介護サービスの選択肢が限定されており,利用者が自分にあった適切な介護サービスを選択する権利が保障されていない現状がある.在宅介護サービスの確保は,介護を必要とする状況になっても地域で生活をし続ける権利を保障する重要な意義をもっている.中山間地域のように介護サービスの効率化が困難で営利性を図りにくい地域においても,適切な福祉サービスが供給できることを社会的に保障する必要がある.対応として,(1)中山間地域の地縁ネットワークを活用した地域の福祉を目的とする非営利組織および農協・生協など組合員による協同組織の参入の促進と安定した運営を支援すること,(2)地域に密着した地域型社会福祉施設の運営を図ることが必要であると考える.さらに,地域発展あるいは地域開発という総合的な視点から,地域産業・経済や環境の保全,コミュニティ活動や文化の振興等と関連した中山間地域における地域福祉のあり方を検討することが必要である.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2005-10-01