ホームヘルパーの吸引をめぐる現状と課題について : 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の在宅療養の視点を中心に
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概要
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本研究は,「ALS患者の在宅療養の支援について」が発令された後のALS患者の在宅生活における変化の有無,サービス提供責任者とホームヘルパーの吸引実施に対する考えや対応について把握・検討することを目的とする.研究方法は,ALS患者・家族のインタビュー調査,サービス提供責任者とホームヘルパーそれぞれにアンケートとインタビュー調査を行った.その結果,ホームヘルパーは吸引実施に不安を抱き,吸引を引き受ける訪問介護事業所は少なく,ALS患者にとっては厳しい状況が続いていた.また,課題として,ホームヘルパーの研修体制の充実,医療職との十分な連携,医療職の指導内容の統一,事故発生時におけるサービス提供責任者とホームヘルパーそれぞれの十分な知識と相互理解があった.在宅を支えるすべての職種が,これらの現状や課題を共通に認識することで,連携を強化し,乗り越えられる課題もあるのではないかと考える.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2008-10-01