ケアマネジャーとサービス提供責任者の役割関係に関する研究 : ケアマネジャーによる連携実践に焦点をあてて
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概要
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本研究では,ケアマネジャーと訪問介護事業所のサービス提供責任者の連携に関する実践過程と連携上の困難の特徴を明らかにするために,大阪市・神戸市・京都市のケアマネジャー400人を対象とする自記式の郵送調査を行い,因子分析によって抽出された因子をケアマネジメント過程に沿って検討した.その結果,両者の連携の構成要素は,(1)ニーズの変化に応じた協働,(2)ニーズの共通認識を図る協議,(3)ケアプランと訪問介護計画の整合性を図る調整の3点でとらえることができた.また,連携上の困難として,(1)協力関係の形成阻害,(2)相互の役割の曖昧さ,(3)ケアプランとサービス提供内容の不一致の3点が確認された.実践上の課題として,訪問介護計画の作成に関するサービス提供責任者の技量の向上に加えて,ケアマネジャーがサービス提供責任者に対して実践の評価をフィードバックすることによって,相互の役割を明確化していくことが求められる.さらに,ヘルパーの慢性的な人員不足によってサービス提供が拒否されている現状や,同一法人の訪問介護事業所と連携している傾向がみられたことから,制度上の課題として,登録ヘルパーに依存する事業運営体制の見直しやケアマネジャーの独立採算性の確保が求められる.
- 2005-10-01
著者
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