韓国の介護保険制度施行後の状況と課題に関する一考察 : 制度実施半年からの課題検討
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概要
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韓国の高齢化率は2000年に7%を超え高齢化社会にはいり,2020年には14%を超え高齢社会になると予測されている.急速な高齢化のなか,要介護者の増加による医療費の急増と女性の社会進出や少子化の拡大による家族介助の限界から,現実にあった社会的扶養システムづくりが急がれるようになった.こうした課題を背景として,2008年7月,介護保険(老人長期療養保険)が導入され,2009年2月現在,要介護認定者は20万人を超え,推計予想より多くの高齢者が給付サービスを受けている.しかし,6か月間の実施状況から,要介護認定者の拡大による対応の問題,保険料や利用料増加の問題,給付サービスの質の問題,療養保護士の専門性の問題など改善しなければならない課題が明らかになったことも事実である.今後,これらの課題を解決するための財源確保と給付サービスの質の向上,さらに,国民意識の広がりが介護保険制度定着のカギになると考えられる.
- 2009-10-01