介護業務に関する「事故と紛争化」 : 事案の報告と法的検証
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概要
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介護業務のなかで高齢者に何らかの被害が生じたと考えられる場合に,介護事故と称してさまざまなトラブルが発生していく.介護職の法的責任がどのようになるのかについては民事刑事の訴訟理論としていまだ議論が不十分で,判例の累積,学説の定化をみない.しかし,それを待つということでは,歳月を多く費やしてしまうし,もちろん介護保障の観点からいえばそのような「事故と紛争化」はないほうがよい.そこで,現在おもに刑事訴訟の場に持ち込まれているひとつの事案を報告し,その困難な問題状況を法的検証として示すことで,今後の人権擁護の課題の一端を明らかにしようとした.介護保障において同様の「事故と紛争化」の予防に寄与しようと考えた.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2002-10-01