介護保険制度下のホームヘルパーの食事づくりの環境と実態について : アンケート調査より
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概要
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職業訓練教育中,学生の調理離れを痛感した.学生の食事への関心度や調理技術の低下は著しい.また,家事援助のなかでも調理が苦手なヘルパーが多いことを実感している.食事づくりをになってもらうには,訪開先に携帯でき,高齢者の好む基本的な料理ブックの必要性を感じた.食事づくりの環境と実態を知るために,介護保険制度下の「ホームヘルパーの食事づくり」についてアンケート調査した.その結果,おもに家庭の炊事紺験から得た不十分な知識で,かつ食材や調味料,調理器具,時間などの制約のなか,和風好みの利用者に合わせて献立をたて,切り方や味つけを利用者に尋ねながら調理するなどの努力をしていることがわかった.しかしメニューが偏りやすく,調理の量や健康上の配慮と利用者の嗜好が相容れないなどの問題も見出された.そのようなことから,実状に合う調理研修,栄養士が支援する環境や在宅の高齢者向けの適切な食品の開発など,総合的な対策が必要だといえる.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2002-10-01