介護福祉士養成教育における家政学の課題に関する一考察 : 在宅介護担当者へのアンケート調査をもとに
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概要
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近年,在宅介護に関するニーズの増大とともに介護福祉上養成教育における家政系科目の重要性が認識されてきている.しかし,同科目の内容は必ずしも介護現場のニーズに適合するものではなく,その内容について検討を行うことが課題となっている.そこで,本稿では在宅介護担当者を対象とするアンケート調査を実施し,家事援助サービスの実態と課題について明らかにした.(1)家事援助サービスのニーズのうち,担当者の対応がむずかしいものは「調理」,次いで「買い物」で,その背景には利用者のニーズに個別性があるなどの問題がみられた.(2)家政系科目の内容でその重要性が高かったのは「衣類の選択・購入」「買い物」「利用者・家族の相談業務」「食事の配慮」「特別食の献立・調理」「食品別調理」で,食生活領域内内容が多かった.(3)食生活に関するサービスで最もむずかしい内容は「特別食作り」で,利用者の疾病や障害に応じた献立作成・調理に積極的に対応できる教材や高齢者が好む食材を活用するような調理技術,嚥下食に関する講義・実習の必要性が高かった.(4)家事経験の少ない介護福祉士の課題として,在宅介護で役立つ家事援助技術を身につけたり,高齢者と対話しながらニーズを把握する方法を身につけることが課題としてあげられた.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2002-10-01