ぺルー・チャンカイ遺跡(プレ・インカ時代)から出土した人工変形頭蓋, とくに脳頭蓋の形態的特徴
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概要
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ペルー・チャンカイ遺跡出土の人工変形頭蓋,とくに脳頭蓋の形態的特徴を計測学的に調査した.人工変形の頻度は男性52.7%,女性37.1%で,すべて前頭-後頭型の変形であった.これらの変形頭蓋では,幅径の増大と長径の短縮が顕著で,頭蓋長幅示数は男女とも超短頭型(男性94.7,女性97.6)を示した.一方,非変形頭蓋は男女とも短頭型(男性83.2,女性83.8)であった.とくに,変形頭蓋では前後方向への圧平に加え,頭頂部の上方および側方への膨隆と後頭部の平坦化が認められた.主成分分析の結果得られた第2主成分は,脳頭蓋幅径と長径間のプロポーションに関連する因子で,人工変形によって生じた変動を強く表していた.この主成分得点は,前頭-後頭型頭蓋変形の有無を判定する際の有効な指標になり得ることが示唆された.
- 2013-03-00