児童福祉施設における思春期の子どもの内的・外的コンピテンスの特徴 : 直接支援職員による評価を基に
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概要
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本研究の目的は,児童養護施設と児童自立支援施設に入所する思春期の子どものコンピテンスの特徴を明らかにし,専門的ケア方法や施設機能について検討することであった.児童養護施設(以下,養護施設群)に入所する12〜15歳の子ども55人,児童自立支援施設(以下,自立施設群)に入所する子ども51人を担当する直接支援職員を対象に,内的コンピテンスをとらえるChild Behavior Checklistと外的コンピテンスをとらえる友人数などを含めた質問紙調査を実施した.分析の結果,外的コンピテンスでは,養護施設群が自立施設群よりも高く,内的コンピテンスでは,内向尺度と総得点で養護施設群が高く,外向尺度で有意差がみられなかった.以上の結果から,コンピテンスを細分化してとらえること,養護施設群には内的コンピテンスの発達を促す支援と行動化を抑える施設機能の強化,自立施設群には不安や抑うつを抱えるための支援と外的コンピテンスの発達を促す制度の必要性が示唆された.
- 2012-11-30