資本市場と監査人の責任(自由論題)
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概要
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繰り返えされる会計不正、不祥事は経済社会に監査等の課題を突きつける。現在、資本市場の監視人の役割を果たす「監査役」「会計監査人」等を含めた資本市場全体の仕組みが問題提起される損害賠償訴訟が生じている。会計不正は会社の経営破綻後に発覚する。監査等を通じて会計不正の未発見等の責任を問う損害賠償訴訟である。この損害賠償訴訟事案は、資本市場、資本市場機能と資本市場監視機能の一翼を担う監査人、会計監査人等の諸組織体を被告としている。資本市場と監査等を担う機関には相互の信頼関係から成り立つのが経済の社会とも見ることができる。資本市場は会計監査人等が会計不正を何故見抜けないのか疑義を生む。専門職業として訓練している人々である。監査には制約された時間、情報等の事由で限界がある。資本市場は財務情報の保証を会計監査人等の監視機能に期待する。資本市場と資本市場を保持する組織体の機能との期待ギャップが存在することを再証明した。事例から判断すると、企業の公開財務情報に関する限り、会計不正等を監視する組織体と資本市場との期待ギャップを相互に埋め合わせる方法は存在しないことを示す。会計監査等の実行方法、その機構に課題があるならば会計不正を予防する仕組を構築出来る。しかし、会計監査人の責任、倫理、監査役の監査方法、責任観、内部統制の仕組、内部統制担当者等の倫理・教育に課題がある。
- 2012-11-03
著者
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