北海道同友会の人材育成、後継者育成の取り組み(統一論題「地域産業の発展と後継者育成マネジメント」)
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概要
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北海道同友会は1981年1月に「同友会大学」を開校し、経営者自らの力で幹部育成、後継者育成に取り組み始めた。それから32年、8月に第60期生を送り出し、卒業総数は740社2,330名を数える。同友会大学の講義数は6単元29講、仕事を終えて午後6時から9時までの夜学であり、合計の講義時間数は87時間、一講義90分換算では58講となる。30年を越えて同友会大学が継続されることは、開設時には想像もつかなかったことである。このことは、中小企業経営者が人材育成・後継者育成に強い危機意識と情熱とを持っていることの証でもある。企業組織は、常に次世代の担い手を育てる意志と機能を備えていなければ、その未来は拓けない。経営環境が大きく変化する現代では、幹部社員、後継者の総合的な力量が日々問われることとなる。同友会大学受講生は「学びの楽しさ」「学友と語り合い視野が広がる実感」「自社の課題と自身の責務を多面的に深く理解する」など、講義・グループ討論・企業見学などのカリキュラムを通して、生き方を揺さぶられる体験を共有している。同友会大学は、学ぶ社風を築く幹部集団を育て、道内中小企業の経営基盤を強化する役割を果たしているのではないか。
- 2012-11-03