Lamotrigineが有効であった重症心身障害を併存するLennox-Gastaut症候群の2例
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概要
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Lamotrigine(LTG)の使用により、発作の減少とQOLの改善が認められた、難治てんかんを伴う重症心身障害者の2例を経験した。,症例1は大島分類1のLennox-Gastaut症候群(LGS)の35歳女性。生後7ヶ月時にWest症候群を、1歳時にLGSと診断された。32歳時に当施設へ入所。その後、VPA,CBZ,ZSM,CZP,CLB,TPMの内服を行うも、一日10〜15回の発声を伴う強直発作、3〜5回の強直間代性けいれんが続いていた。症例2はLennox-Gastaut症候群の36歳男性。6歳頃LGSの診断を受けた。16歳時に当施設入所。その後、VPA,CBZ,ZSM,CZP,PHT,CLB,TPMの内服を行うも、上肢を屈曲挙上させる強直発作または強直間代性けいれんが週に5〜6回出現し、しばしば重積化した。LTG開始後、症例1では発作が1/3程度まで減少し、脳波も改善した。眠気が減り覚醒時間が長くなり、話しかけたりする刺激に対して反応するようになった。症例2では発作が1/2程度まで減少し、脳波も改善した。覚醒時間が長くなり、反応性が高くなった。これにより誤嚥性肺炎を繰り返すため経管栄養であった食事を、経口摂取出来るようになった。2例ともLTG開始前と比較して全身状態が安定している。,LTGは発作の改善のみならず、重症心身障害児・者においてはQOLの改善も期待できると考えられた。
- 2013-01-31