内視鏡外科手術における研究と治療の進歩(6)整形外科領域-脊椎疾患に対する内視鏡手術

概要

論文の詳細を見る
整形外科領域での内視鏡手術には、関節疾患に対し行われる関節鏡手術の開発、発展の歴史がある。関節鏡手術発展の背景のもと、現在では、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対して、内視鏡を用いて椎間板髄核摘出術や椎弓切除術が低侵襲手術として行われるようになった。本邦での脊椎内視鏡手術は、Foleyらの開発したシステムを1998年に導入したのがその始まりである。鏡視下手術、従来法ともに、腰椎椎間板ヘルニアでは脱出した椎間板髄核の摘出を、腰部脊柱管狭窄症では肥厚した黄色靭帯の切除を、手術の主な目的とする。従来法と比べ、鏡視下手術ではこれらの操作を低侵襲に行うことが可能である。その他の鏡視下手術の利点としては、観察する構造物がカメラとライトの直下に位置し、術者や助手の手、棘突起などが視野の妨げにならないことがあげられる。術野はモニター上に大きく拡大されるので、細部まで観察することが可能となる。その反面、問題点として、モニターが映し出す像が2次元画像であるため、術野の3次元構造を把握しにくい。このため、従来法に比べ手技の習得に時間を要する。術後は、翌日からコルセットを装着して歩行可能であり、創部痛が少ないのでより早期の退院、社会復帰が可能となる。我々整形外科医は、内視鏡の長所、短所を十分に熟知して、適応を決める必要がある。
2012-10-25

内視鏡外科手術における研究と治療の進歩(6)整形外科領域-脊椎疾患に対する内視鏡手術

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク