小細胞肺癌に対し完全奏功を得て禁煙中に扁平上皮肺癌と農夫肺が診断された一例
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概要
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症例は59歳, 男性. 職業は元建築業, 現農業. 53歳に小細胞肺癌を発症し, 放射線化学療法により完全奏功を得た. 予防的全脳照射を追加した後, 禁煙のみで経過観察となったが, 咳嗽及び労作性呼吸困難が出現し, 右肺門部に腫瘤を指摘されたため, 精査目的で当科入院となった. 当科入院時の胸部CTでは, 右肺門部の腫瘤陰影と右上葉無気肺を認め, 同時に両肺野びまん性に小葉中心性の粒状影を認めた. 気管支肺胞洗浄液ではリンパ球比率増加とCD4/8比の上昇を認め, 経気管支肺生検では, 右上葉支入口部腫瘤から扁平上皮癌, 左肺舌区からリンパ球浸潤, 好酸球浸潤, 異物型巨細胞と類上皮細胞肉芽腫を認めた. その結果, 右肺門部腫瘤は二次性扁平上皮肺癌と診断し, びまん性小粒状影に関しては, 入院1年前より農業に従事し, 2ヶ月前より大量の稲藁を堆肥用に細断後, 自宅の庭に保存していたという病歴も考慮し, 農夫肺と診断した. びまん性小粒状影は, 入院前から徐々に増加していたが, 特に治療を行わず, 入院3週間後の胸部CTで改善を認めた.
- 2012-12-25
著者
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